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雲見 ダイビングフィン
現在、世界中のダイビングインストラクターが使用しているフィンは、かなりの確率でジェットフィンだと思われる。材質が硬くスピードが出るので、深みに落ちていくダイバーや、BCの操作を間違えて急浮上を始めたダイバーを追いかけることができるからだ。また、イントラのみならず、一般ダイバーにも、このフィンの愛好者は多い。
一方、tetujinが20年以上愛用しているのはGullのマンティスというやわらかいフィン。へたをすると、フィンをあおったときに先端が捲くれあがるぐらい柔らかい。
このフィンの利点は、スピードはでなくても、とにかく疲れないこと。実際に泳いだことはないが、ゆっくりなら少々長時間、長距離を泳いでもふくらはぎへの負担はさほどではないだろう。イントラのまねをしてジェットフィンをはこうものなら、ワンダイブの終わりごろには足が疲れてつってしまうに違いない。

ところで、神子元は西伊豆の海に浮かぶちっぽけな無人島なのだが、ハンマーヘッドなどの大物が見られることで有名なポイントだ。大物が見られるそのぶん、ダイバーにはスキルが要求され、適確な中性浮力の保持ができないと強い潮の流れに逆らって泳ぐのに体力を消耗したり、なによりも、はるか向こうに見えるハンマーヘッドの群れを追いかけて全員がダッシュするらしいのだが、スピードがないと一人だけ置いていかれることになる。

ハンマーヘッドってそんなに見たいか?これは、負け犬のtetujinのセリフ。たとえば、都内のバーで女性とお酒を飲んでいてダイビングの話になったとき、チョウチョウウオの話題しかできないよりも、いつも神子元でハンマーヘッドを追いかけていると話す方がよっぽどもてるにちがいない。
でも、tetujinは女性と都内のバーで酒を飲むことはめったにないし、たとえあったにしても、ダイビングの話題にならないかも知れないしで、ハンマーヘッドはどうでもいいと思っている。
っていうか、たとえば、向こうの野原に熊が出たからといって、ダッシュして見に行くほど物好きじゃない。まあ、地球外生物が暴れてるってのなら、話は別。

ハンマーヘッドが好きなヤツらに言わせれば、海水浴場にコイツがあわられたとして、なんのためらいもなく、スキンで入水し観察するとのことだ。野生生物をなめきったクレージーなヤツら。きっと、ヤツらはハンマーヘッドに食われて死ぬのなら本望なのかもしれない。ところで、よいこのダイバーのみなさん。危ないから、こいつらにやたら餌付けするのはやめましょう。ダイバーが襲われた報告はないのだが、なんといっても、相手は毎日狩りをして暮らしている野生生物ですから。

ということで、慶子さん。チョウチョウウオに飽きるまで、あとしばらくは、マンティスを使い続けます。
ついでに、縦穴の上部に逆光で浮かぶダイバーの写真を撮りたいんすけど、ダメすかね?それも、ジェットフィンをはいている女性ダイバー。なんてたって、絵になるじゃないすか。今度、縦穴を出るときにわざと遅れるかもしれないすけど、わかってくださいね。


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テーマ:ほとんどノンフィクションストーリー - ジャンル:小説・文学


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