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神秘のブルーを求めて
東京→秋田(JR新幹線こまち33号)宿泊→東能代(JR奥羽本線・大館行)→十二湖(JR五能線・弘前行)
十二湖→艫作(へなし)(JR五能線・深浦行)→不老不死温泉(送迎バス)
不老不死温泉→ウェスパ椿山(送迎バス)→深浦(JR快速リゾートしらかみ5号)
深浦→東能代(JR快速リゾートしらかみ6号)→上野(JR寝台特急あけぼの)

浮遊物質の少ない綺麗な山の中の湖水は、水の分子によって波長の短い青の光が散乱し、赤い光が吸収されるため湖が青く見える。
まさに、「まるで青インクをたらしたような」と形容される青池。その透明度は9mとも言われている。この青池の他にも、合計33個の大小の池があり、一帯の780haの森を崩山の大崩(おおくずれ)から12の湖が見えることから十二湖と名付けられている。十二湖は、およそ300年前の地震でできた「くぼ地に水がたまって生まれた」という説や、「低位氷河説」、「侵食貧地説」があり、今のところ確かな説はない。

夜の20時04分に東京を定刻どおりの発車したこまち33号は、その日の深夜23時54分に秋田の駅に到着。予約しておいた駅前のホテルでは、深夜の到着にもかかわらず、あたたかく迎えてくれた。なかなか、感じのよいホテルなのだが、今回は時間の関係で素泊まりに。深夜のホテルの最上階にある露天風呂から眺めた夜空には、雲の切れ間から星が瞬いていた。

昨夜は最終の新幹線「こまち33号」だったため、席でMP3プレーヤーを聞いているうちに秋田に着いてしまった。その昔は、東京-秋田間は急行の夜行列車が主な移動手段であり、とてつもなく時間がかかったものだった。世の中は本当に便利になった。
携帯電話のアラームをセットして、朝5時30分に起きたぼくは、昨夜、東京駅で仕入れたおにぎりで朝食をすませ、秋田駅に向かった。6時33分発大館行きのローカル列車。
列車は3両建てのディーゼル車だが、冬季、ドアを手動であけるボタンが車両の出入り口に設けられている以外、都会を走る電車とほぼ同じだ。横掛けの座席シートで、ディーゼル機関特有の音も座席ではほとんどしない。車両には、土曜日の早朝というのに、学生やサラリーマンが多数乗り込んできた。隣に座った秋田美人の女子高生に視線を奪われながらも、列車は快晴の田園風景の中を走っていく。

夕べ、新幹線の車窓からは真っ暗な闇しか見えなかったため、このローカル線の列車の車窓から見える田園風景は、ぼくを旅情に浸らせた。さて、何を撮ろうか・・・・・・。
ぼくは文章屋であって、写真屋ではない。だから、写真を撮るとき、これといったテーマを決めずに撮る。それゆえに、車窓から見える朝の田園風景は、この朝の光にあふれる時間帯に列車に揺られていることを後悔させるほど、きらきら光って印象的な景色だった。そして、写真を撮りたくてウズウズした心を、ぼくは持て余し気味だった。

十二湖駅 - 挑戦館(バス15分) → 鶏頭場の池→青池→ブナ原生林→沸壺の池、がま池→落ち口の池、十二湖庵(茶屋)、中の池、ビジターセンター、越口の池、王池→日暮の池→キャニオン展望所→八景の池→日本キャニオン展望ポイント→ポッポ茶屋 - 十二湖駅
(約2時間)

十二湖に9時08分に到着。ここから、2時間かけて、十二湖を散策。まずは、今回の目玉、青池へ。朝の光の加減の良い時間帯でじっくり見てみたい。ちょうど、駅前から奥十二湖行きのバスが到着。10分ほど乗ったが、ブナの木が広がっている涼しげな印象の森林景色が楽しめた。そして、終点の奥十二湖に到着。ここから歩いて散策。

青池は引き込まれるような青色をしていた。言葉を失うほどの神秘的なかがやく青。
湖水にはブナの倒木や、魚影が手にとるように見える。しばし、写真を撮るのも忘れて見入っていたら、ガイドに連れられたバスツアーの団体客が押し寄せてきた。神秘的な池の青さを目にして客たちのあげる歓声で、あたりの静寂が一気に破られてしまったのだが、まったくひと気がなくて熊などの野生動物に怯えるよりも良いかもしれない。

それにしても、不思議な青だ。これまでに見た「青の洞窟(イタリア」、「ブルーホール(パラオ)」とも違った、キラキラ輝くやわらかい光にあふれるブリリアントブルー。このブルーは、午後になれば光線の具合によってもっと濃い色に変化していくのだろう。
この青池の水が不思議なブルーに見えるそのメカニズムは、いまだ、十分に解明されていないらしい。
キャニオンから続く下流の沢の両岸の岩が鉄バクテリアの赤色で覆われていること、青池に住むニジマスがやせていて、えさとなるプランクトンが圧倒的に少ないだろうこと、湖水中の倒木や湖面の落ち葉がなかなか腐食しないような(鉄イオンが安定して存在できるような)酸性度であることを考え合わせれば、青色の秘密を解き明かすことができそうなのだが、どうだろう。
このブログにのせた写真の波長スペクトルを解析することによって、特定の散乱光スペクトルを割り出し、そこから青色の秘密をさぐることができるはずだ。地元ということで、弘前大学あたりでやってくれないだろうか。
これは弘前大学に対する「挑戦」ではなく、「お願い」だ。近頃、大学もアカデミックな成果だけではなく、「見返り」を求めることが多くなってきた。もちろん、写真のスペクトル分析をしてもらえるのなら、ビール券などのお礼をさせてもらうつもりでいる。
ただし、分析結果をこのブログで公表するつもりはない。神秘的なものは、そっとしておいた方が良いに決まっている。

十二湖の神秘のブルーを後にして、ぼくは林道を楽しみつつ、ひたすら歩いた。青池周辺の散策コースから外れると、観光客はとたんに誰もいなくなって、ときおり車が通る音以外、林道は静寂に包まれていた。途中、キャニオンの探査路があり寄り道。
巨大な白い岩は、アメリカ合衆国コロラド高原のグランドキャニオンを思わせることから名づけられたものらしい。いかにもその景観は雄大で、白い岩肌に割り込まれた深いヒダは異様な印象を覚える。日本キャニオンの岩壁は、沖合を航行する船からもよく見え、航路の目標になっているらしい。
陽が高くなってきたバス通りをひたすら下り、ふと視線を上げると、森の終わりの道路の向こうに、正午の太陽を反射して日本海が光っていた。
駅前のポッポ茶屋で、暖かいハーブティと、冷たいごぼう麺で昼食。そして、今度は海を見るため、黄金崎不老不死温泉へ列車で向かう。

十二湖→艫作(へなし)(JR五能線・深浦行)→不老不死温泉(送迎バス) 不老不死温泉 露天風呂 14:00~15:30

不老不死温泉に最寄の艫作(へなし)に降り立ち、ここから海岸沿いに温泉まで徒歩で行くつもりだった。艫作駅に降りた乗客の一人が、無料送迎のランドクルーザーを駅に呼んでいた。だが、乗客は7名で定員オーバー。ランドクルーザーへの乗車をあきらめて、徒歩で温泉に向かおうとすると、ドライバーが気の毒がって、着いたらすぐに折り返し迎えに来るとのこと。2kmぐらいの距離なら、歩くのが当たり前のように思っていたのだが、せっかくの言葉に甘えて迎えに来てもらうことにした。

防風林で囲まれた田舎道を抜けると、そこには光にあふれる日本海。
海辺にある露天を横目に見ながら、まずは海辺を散歩。海は眠ったようにひたすら穏やかで、午後の光を反射させていた。しばらく、岩場のタイドプールを観察していると、地元の長いヤスを持ったおっちゃんが「どこから?」と声をかけてきた。箱めがね(はこめがね)を覗きながら、魚を突くらしい。しばらく、その様子を観察。海は思わず笑ってしまうほど、透明度が高い。だが、冬は寒く、海が荒れて、波が道路を越えて押し寄せてくるとのこと。
あちこちのタイドプールで遊んだ後、温泉に戻り、露天風呂に入りに行く。快速しらかみの乗車券で温泉は割引になり、入浴料は400円だった。露天は、混浴と女性用に別れていて、ともによしずで目隠しされているのだが、さきほどのタイドプールから見え隠れしていたのは女湯のほうだった。だから、ぼく以外、だれも岩浜に降りて来なかったのかもしれない。
湯は伊香保に似た茶褐色の湯。日本海を目の前にして確かに素晴しいロケーションなのだが、あまり、気分が高揚しない。温泉よりも、むしろ、目の前の海に入りたい。あのきれいな海面を、のんびりと素もぐりでもしたら最高に気持ちいいだろう。

ウェスパ椿山→深浦 16:03~16:29 JR快速リゾートしらかみ5号
今度は、大型バスで送ってもらってウェスパ椿山駅へ。ここから、JR快速リゾートしらかみ5号で深浦へ。
深浦駅から海岸沿いに5分ほどで大岩海岸にたどり着く。透明度は7mぐらいだろうか。ここの海岸も岩礁地帯。深浦海岸一帯に分布している流紋岩は、新第三紀中新世中期の火山活動の産物のようだ。
大岩海岸には、赤い鳥居が印象的な「恵比須神社」が祀られていた。海には貝採りの青森美人が。ちょっと年配だけど。日没に近いこの時間になると貝が岩の上にでてくるらしい。「ほら、こんなに大きな貝が」と、かの青森美人は見せてくれた。
海風に吹かれて1時間。そろそろ、十二湖の旅も終わりに近づいた。駅に向かいかけて、後ろを振り返ると夕陽を反射して海が光っていた。大岩の流紋岩の縞が年輪のように見えた。この岩は、どれだけの長い年月を見つめてきたのだろうか。

深浦→東能代 18:19~19:36 JR快速リゾートしらかみ6号

全席指定の切符を1ヶ月前にネットで予約したときは、タッチの差で取ることができなかったのだが、キャンセル待ちでどうにか取れた座席だった。この「リゾートしらかみ6号」は、千畳敷-あきた白神駅間で、日本海に沈む美しい夕陽を眺めることができるので超人気だった。
青森方向から列車の正面が見え、次第に近づいてくる。深浦を発車した列車はしばらく海岸に沿って走る。日本海を間近にみることができるのだが、海は夕陽をあびて金色に輝いて見える。聞くと冬の日本海は、波が荒々しく押し寄せ、時として、その波が線路にかぶり、列車が止まることもあるらしい。今日のおだやかな日本海から、そうした光景はまったく想像できないが、そうした時期の五能線の旅もまた味わい深いものがあるのだろう。

深浦(18:16)から岩館(19:04)まで、約1時間にわたる自然の雄大なドラマ。ぼくは、深浦の駅前のスーパーで買ったリザーブの水割りを飲むのも忘れて、車窓に見入ってしまった。沈む夕陽には、しばし人を感動させる“魔法”があるのだろう。水面が、日が傾くにつれ黄金色に輝き始める。リゾートしらかみ6号は、サンセットのビューポイントで車内の灯りを落としてくれる。見渡すとまわりはピンク色。まさに夕焼けの中を列車は通過する。
空からふと水面へと目をやると、海がさらに赤に染まっていく。夕陽をきらきら反射する黄金色の帯。そんな帯の中を、沖の船が突っ切っていく。そして陽が傾くにつれ、空は茜から紅に。深まるグラデーションに言葉を失う。
そして、太陽がすべてをかき集めて消え去ったとき、このドラマはフィナーレを迎えた。

海は見えなくなり、一面に広がる田んぼ。

やがて、列車は東能代に到着した。 (了)
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テーマ:登山・ハイキング - ジャンル:旅行


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