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けん制球
「たとえば、10人の男が集まったパーティ会場に、1人だけ参加した女性がいたとして、だれも彼女を口説きませんよね」
出張で泊まったホテルから、かなり歩いたところでようやく見つけたカフェバーのマスターは、カウンターで飲んでいた私にそう言った。
「男同士でけん制しあうんですよね」
「そうかなあ。男が10人で女性が1人だったら、モテモテじゃないのかな。ぼくが大学の時に、クラスには1人しか女性がいなかったけど、入学して一週間も経たずに同級生の男とその子はできてたからなあ」
「でも、毎日、顔を合わせる場合と、初対面では違うでしょう?」
「まあそう言えば、そうかな。その子とは結局、4年間、一度も話をしたことがなかったっけ」
「だいたい、そんなモンですよね」
40前後のマスターは、カウンターテーブルの上を神経質そうに拭きながら続けた。
「たとえば、この店の客が全員、妖怪で、お客さんだけが人間だった場合・・・・・・。みんながけん制しあうから、お客さんは大丈夫なんですよ」
「でも、妖怪って、もともと人間に害を及ぼさないんじゃないの?」
私の言葉を聞きとがめたのか、2つ離れたイスに座っていた若い女性が、瞬間、こちらを振り向いた。一瞬、キラっと輝いたその目の瞳孔は縦に開いていたように見えた。おまけにマイクロミニのホットパンツの後ろから、太いシッポ見たいなのが覗いている。ように見えた。
「ン!?。オレ。酔っ払った?」
ぐるぐる回って見える、カウンターの天井に飾り付けられた太いリボンの端には目がついている。ように見える。
かなり、速いピッチでいろいろなカクテルを飲み干していたから、急に酔いが回ってきたのかもしれない。マスターと私の会話に、店にいるすべての客が、いつのまにか聞き耳を立てているようだった。
「妖怪が、人間に害を及ぼさないってのは、間違いですよ。その昔は、人間から恐れられていたんです。それが、いつのまにか、だれにも相手にされなくなってしまった・・・・・・」
シーンと静まり返る店内を、振り返って見回すと、店の客、みんなが慌てて私から視線をはずした。田舎の飲み屋ではよくある光景だ。よそ者が珍しいのだろう。
「マスター、勘定を」
こう、言った私に、また、ランランと光る目がいくつも注がれた。
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学


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